Q−PROJECTの世界

 

1概要

時代背景:近未来。具体的には2030、40年頃。IT、バイオなどの先端技術が産業化を一定達成し、エネルギー、宇宙開発、人間の認知機能の科学が広範にわたって意識され、特に量子物理学、量子場理論など20世紀にから探求されてきた科学に暫時的な進歩が見られつつある時期。

世界的な産業技術拡散が生じ、文字通り「グローバル化」が達成されつつあり、そのため非常に不安定、不確定要素が現在よりも増えている時代。超大国によるヘゲモニーに終止符が打たれ、様々な分散化傾向が顕著になっている。またロボット産業に関して言えば機械工学ロボットが進むが、汎用化に失敗しロボット産業の市場は現在よりも少し発展した程度でその意味を模索しつつある時代。

舞台:舞台は日本,東南アジア。グローバル化の中で相対的に経済的地位が低下した日本は次世代産業としてロボット産業や宇宙開発を西欧諸国に追う形で推進するが、機械工学ロボットの失敗によって挫折、また高速増殖炉の大規模事故などおこし、国内的にも国際的にも地位が低下していく。

それらを挽回するため、物理学者を中心に「量子工学作業機械(Quantum Mechanics Work Machine)」の技術を開発、ロボット工学に新しい技術を確立。それらを国策として推進し、国内の大企業が共同出資しロボット会社を設立する。

日本はグローバル化進展の中で不確定要素が増しつつある中東からのエネルギー依存を本格的に転換することを模索、エネルギー政策での原子力推進、石油資源のアジア、ユーラシア地域への依存を強め、いちど行おうとしたアジア独立外交を再び模索し始める。  

また社会情勢としては日本は西欧諸国と同様に中東に自衛隊を派遣していたが、量子工学ロボットの技術確立と同時に、治安維持、災害救助を目的に量子工学ロボットの投入を決める(主にPKF活動に関して)。また機械工学ロボットの失敗によって西欧社会からの独立、外交政策転換に際しての軍事的活動の独立展開などがひそかに画策され、軍事目的としての量子工学ロボットの開発を行い、アジアで工場を作りながら軍事拠点を展開しようとする。

 一方グローバル化の進展の中で「反グローバリズム」の世界的ネットワークが形成され、またそれらが既成の西欧諸国に利用され、「反グローバリズム」運動の内部分裂を起こし、日本がアジアへの軍事進出を行うことへの様々な意味での阻止という形であらわれる。

2時代背景

時代背景は「近未来」となっています。当初考えていたのは21世紀の中ごろだったのですが、どうも50年後では長すぎるのではないかと思って、だいたい202,30年ごろだと考えてもらえばいいのではないかと思います。

はっきりとした考え方はないのですが、IT産業の次に主要な産業としてロボット産業が今よりももっとはっきりした市場として形成されるのは明らかに30年は必要であろうと考えました。また「ロボット産業」に関するものは、現在でもきちんとした分野として存在していますが、自分の考える「ロボット」とはあくまでも汎用機械としてのロボットなので、現在あるような産業用の

ロボットではなく、また技術的には大きな進歩をしたが、目的としては違うアシモ(アシモがどういう目的で開発されたのかというのは若干理解しがたいものがあります)などに関しても汎用のロボットではないものとしました。

経済社会の背景としてはIT産業とともに、あらたな次世代産業として宇宙開発に関するものや、海洋、地下開発など人間の住むフィールドワークを拡大しようとする動き、これはどう表現したらいいか分かりませんが、金融、IT、バイオなどの産業が成熟化すると(これらの産業が単にそれとして成熟、ということはありえないとは思うのですがまあ、なんとなく)、新たな、ITに変わるような、ソフト、ハードを含む裾野の広い新しい産業を生み出さなければならない圧力みたいなものが生まれてくるのではないかと思うわけです。特に先進諸国だけが産業の最先端を行く時代は終わり、中期的には世界規模での成長と競争の流れが確実に起こってくるわけですから(20世紀は先進諸国は多くの植民地を持ち、その構造のもとで先端を走ることができたということがありますが第2次世界大戦後の多くの国の独立をきっかけにそれらの構図が崩壊して、現在でも多くの

困難はあるにせよ各国が「競争のレール」に乗ってくれば先進諸国に追いつけるというのが、21世紀の根本的な変化であると思うわけです)、産業の絶え間ざる進歩の必要性と、「なにか大きなフロンティア」という志向は、新たな大型の製造業といいますか、車、電化製品、IT、バイオなどに続くものを開発する必要がでるのだと思います。

ロボット産業(私の考える汎用機械としてのロボット)は現在の産業をいわば集大成したものですから、それは30年後くらいには実現しているのではないかと思います

3「量子工学ロボット(Quantum Mechanics Work Machine)」について

正式には「量子力学作業機械」となります。この量子工学ロボット」なるものは、あまり独創性はないように思いますが、現在ロボット研究は、アシモみたいに「人間型」で、人間の動きが(どのような形であれ)できるわけだから、次は「感情を」ということで開発されている(のかな?専門家ではないのでわかりかねますが)のではないかと思います。または例えば単純な生物の動きや思考のパターンなどをプログラムとして組み込んで、などなのかな?まあはっきりしたことはわかりません。

「ロボットの定義」についてもかなりの諸説があって実際よくわからないというのが実感ですが、話の中で出てくるように、量子工学ロボットのコードが「A・A(アンチ・アシモフ)」としておりますので、小説的にも、技術的にも(そこまでわからないけど)「ロボット三原則」という範疇では考えていません。

高名なロボット学者は「50年後には人間と同じロボットができてそれが人間に代わる新しい進化を生むだろう」みたいな話をしているのをよんだことがありますが、何ともいえません。そんなことだけはかんべんをという気もしますし。ですから自分としては「鉄腕アトム」は開発してほしくない、ロボットというのはあくまで「機械」であってほしいと思います。しかし「人工知能」をもったロボットがあらわれたら、そんなことはいっていられませんが、じゃあ人工知能というのは本当にできるのか?というのを考えて、現実のロボットの進化を拒まない形で表現しようとしたのが「量子工学ロボット」という考え方です。

具体的なシステムとしては

@ロボットの全体制御は人間の脳

A運動に関する人間の脳の情報を量子情報として捉え、各駆動系伝達し全体の行動制御を行う

B認知、行動に関わる情報は量子情報として解析する

 要するにロボットの行動全体を制御するのは人間の脳であるということです。脳の研究はおそらく今世紀中には十分な解明が行われるとは思いますが、それを人工的に作るのはかなりの年月を要するのではないだろうか?というのが根本としてあります。しかも個人的な意見としては脳の研究はもっと医学分野に還元してほしいというのがありまして、ロボットを作るのもいいがもっと医学が進歩してほしいとおもうわけです(全然話と関係ありませんが)。

さらに脳の研究において今後は生理学的な分野だけではなく、量子物理学的なアプローチもなされるのではないだろうかと思い、量子工学という分野で脳の研究をもっと違った形で還元していく方向があってもいいだろうと考えたわけです。

4「生存の思想」について

これはなんだか思想の話になりますが、あまり深いものではありませんが、一応キーワードとして挙げておこうかなあと思って書くことにします。

また小さな話になりますが、宮崎駿の「もののけ姫」のコピーで「生きろ」というのはあまりに有名なものですが、この「生きろ」という言葉の中に、非常に重層的な構図が見え隠れしていることを考えます。21世紀には「地球温暖化」問題なども含め人間の「生存」に関わる「意味」が問い直されてくるのではないかと思うわけです。

よく子供たちへのメッセージとして「生きる力を身につけろ」みたいなことがいわれますが、よくよく考えてみると今の子供たちというのは非常によく「生きている」ような気がします。若者にいたっては十分すぎるほど「よく生きている」気がする(これも、別に「今の若者はどうこう」といっているわけではないのであしからず)。この「生きる」という言葉の意味を考えたり、実行することは、永遠の問題であるし、21世紀には根本的に問い直されていくのではないかと思うのです。

「生存の思想」は物語の先のほうではもっとはっきりしてきますが、一つのグローバルな社会運動であるといえます。人間の「生存」を脅かす地球的な問題に対して様々な人たちが「行動」をおこし、それが地球的なネットワークをかたちづくり、巨大な社会変革運動に発展していったものです。その中心に「生存の脅威に対する抵抗」の考え方があります。ですから今までのような思想的な問題や、宗教的な問題、社会構造的な問題、人種的な問題、環境的な問題などなどを「地球市民として」変えていくために行動をするための組織といえます。ひとつのコスモポリタニズムの具体化といっていいかと思われます。

現実にインターネットの普及とともにそれらの環境は徐々に形づくられるのではないかと思います。そして、その彼岸は・・・。これが一応のテーマです。

5日本の社会について

これも重要なので書いておこうと思います。といってもあまり詳しくはありませんが。「日本は経済的に行き詰まり」みたいなことをちょっと本文で書いていましたが、もちろん架空のことなので、現実に日本経済の地位が著しく低下する事態というのは、望んでいるわけではありません。ただ、設定としてアジアの追い上げと世界的な競争によって経済構造自体が激変し、そこに次世代産業育成として、「ロボット産業の国策推進」をあげてみました。

国策として、というのは実は結構日本においては戦後も行われてきたことではないかと思われますし、経済社会の今後を考える上で一つのキーワードではないかと思われます。これもはっきりとした根拠はないのですが。また日本自身の経済構造の変化は結局「お上か外圧か」みたいなものは今後も続いていくのではないかと思うわけです。

具体的な2030年ごろの日本の社会は

@経済構造、グローバル化に対抗するため次世代産業としてロボット産業を推進する

A首都を移転し、茨城に移す

B政府の諮問に従って異業種の企業が出資してロボット会社を設立

Cアジア外交の転換が起こる(エネルギー問題、政治的なヘゲモニーの問題、日本独自の政治的思想的問題から)

とこれくらいです

「経済構造の変化」という言葉を社会全般で考えることは難しいものがありますが、こと「量子工学ロボット」という産業にのみ焦点を当てますと、まず「量子工学ロボット」を作っている会社は従来の大企業が政府の諮問に応じる形で、異業種同士が出資しあう形で会社を作り、ロボットの開発や生産は行うものの、その中で多くの中小独立企業が大企業に情報を提供する形で絶え間ない開発競争を行っています。そして、ロボットを実際に使っているのは、個人や、家族経営の有限組合であり、それをQMWMA(Quantum mechanics Machine Assosiation=量子工学機械組合)という一種のギルドが統括しているということになっています。そのような設定からすると、経済構造の変化は、20世紀型の大量生産、大量消費社会に適合した、野放図な会社の設立というよりは、市場規模にあわせた形で技術進歩優先の経済構造ということになります。

6ロボッター制度について

QMの開発、実用化が現実のものになると、政府はそれにあわせて公共事業、消防、治安維持、自衛隊などの諸制度を根本的に見直します。

具体的には各行政区、市町村にロボッターといわれる、QMに乗ることを職業とした人たちを配置し、一般的な公共事業(家屋の建設、道路整備、上下水道整備、環境整備、森林整備、公共施設建築、電気ガス水道工事などQM1台から2台で行うことができる公共事業)を計画的に行わせ、また消防や治安維持の一部についても準公務員として採用しました。

今まで自由競争であった公共事業の業者はQMを使用したロボッター達が請負い、これにより多くの公共事業者が失業もしくは廃業に追い込まれ、また建設土木関係の公務員は大幅に削減されることになりました。消防庁、警察庁は大幅に人員削減となり、ロボッター制度が定着するにつれ、次第に消防庁が警察庁に吸収されてゆきます。国土交通省と環境省は合併され北海道沖縄開発は廃止されます。

自衛隊についてはQMを使用した特殊部隊が創設され主に陸軍において使用が検討されます。

ロボッターとは各行政区に配置された1民間業者ですが、公共事業や建設土木関係の作業を行政機関と連携して行政施策も行い、同時に民間需要である家屋の建設なども行う、更に消防活動(救援活動なども含む)や治安維持活動の一部も行う準公務員の性格を持っているといえます。そして自衛隊の規模がQMの採用により一段と大きくなります。

7QMWMA(Quantum Mechanics Work Machine Associasion=量子工学機械組合)について

政府がQMの開発を行い、ロボッター制度を定着させるには日本経済の激震的な構造改革が必要でした。そして前述の通り、ロボッター制度の創設とともに多くの中小の公共事業者が廃業に追い込まれ、その中でかなりの数の人間がロボッターとして採用されました。

政府はロボッターになる際に当然QMを1台か、共同の会社の場合は何台も所有させ、それらの資金を無利子で融資し、中小の公共事業者の転業を支えます。しかしもともと運転資金に困窮していた中小業者がさらにQMの所有を強要され、借金を背負わされることになり、国のロボッター選別政策もあいまって多くのロボッターが大変な苦労を背負うことになりました(民間と、公務員的な責任のある事業を行っていたのです)。また全国のロボッターはQMの開発会社であるKMT社の下請けとなるか、ゼネコンの下請けとなるかで民間事業者としてのロボッターの地位も非常に低いものでした。

これらの現状を打破するため全国のロボッターが自分達の地位向上と、下請けではなく、対等の関係で事業展開を行うために作った組織がQMWMAです。QMWMAは全国のロボッターの中心組織であり、国の公共事業計画にも答申を行い、全国のロボッターの登録管理を行い、書く民間業者へ対等に業務を遂行できるように調整を行う組織といえます。ロボッターの養成はQMWMAが行い、志願者は養成機関を卒業した後、徒弟としてロボッターの下で働きその後独立するか、QMWMAの指揮下に入るか選択をします。指揮下に入ると各行政区に配置され業務を行うこととなります。

8「正義の月闘争」について

くどいようですが、政府がQMの開発を行い、ロボッター制度を定着させるには激震的な構造改革が必要でした。また、ロボッター制度が定着した後にもロボッターたちは行政機関の職員として、KMTや民間業者の下請けとして非常に苦労します。

その現状を変えるためにロボッターたちはQMWMAを設立しようとしますが、政府をはじめ各民間業者はこの動きに猛反発し、行政機関は法律的にQMWMAが無効であるとの認識を示しました。このため全国のロボッターたちがQMWMA設立の示威活動を行い、ついに行政機関にQMWMA設立が合法であると認めさせたのが正義の月闘争事件と呼ばれる事件です。

その際に特に民間業者がロボッターたちの行動をQMを使って暴力的に押さえつけようとしたため、ロボッターたちはそれらに反発して様々な行動を起こしました。またその運動に一部の反政府勢力が加担し、ついには反政府活動を起こします。正義の月闘争の最後の月には一部のロボッターが首都を占拠し、民間業者、政府のQMと衝突します。

ロボッターの間では「正義の月の闘争」として長く語り継がれています

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