アクアジオ! -THE ANIMATION- 戦陣記世界観 ・キャラクター ・キーワード ・−−−−− ・塩? ・パロディーモード

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<#1:冒険者>

  高校2年生のとき、ある男の一言が、
  二人の学生を報われぬ修羅場へと運命を導いた。

 部長「なぁ、俺たちでアニメつくらねぇ?」

 みやま。「それはちょっとむりだろ〜?」

  誰もが無理だと言う中、部長と呼ばれる男と俺だけは違った。

 X-system「よし、やってみよう!」

  その発言がきっかけで、映画研究部で
  自主制作アニメを作ることが決まってしまった。

  それから、構想と脚本、そしてアニメ製作をする為に必要なことを、
  洗い浚い探していった。

  PCでアニメーションが作れることはわかっていたが、
  いったいどのような設備が必要なのかと言うことは、
  当時、全くわからなかった。

  それぞれのスケジュールが合わない中、
  彼らはただ、闇雲に情報を探していた。


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<#2:使えない剣>

  製作ソフトは『LETAS-LITE!』6万円位するアニメーション製作ツールだ。
  これを購入する為に生徒会会計との
  激しい予算折衝が繰り広げられるものかと思っていたが、

 会計K「サッカー部の予算が減ったから別に良いよ」

 X-system「いいの!?
      じゃぁ、引き続き漫研の方の予算を……」

 部長「よしっ、買える!!」

  それが届いたのは次の年の3月(だっけ?)。

  だが、ちょうどその時、X-systemはとある雑誌で、
  12,800で廉価版が発売される情報を知ってしまったのだ。


  時は流れ、原画を描き始め、7月ごろにソフトの試運転を始める。

  が…

 部長「あれ? これ動かねぇ……」

  プロテクトキーと言う部品が、欠陥商品であったのである。
  保障期間は3ヶ月……。

  ばっちり過ぎている。

  そのソフトは映画研究部のPCで作動する事は無く、
  運命の日、9/12-13まで2ヶ月を切ってしまっていた……。

  この時から、俺たちの修羅場は決まったようなものだ。

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<#3:決戦・第三新東京市>

 何とかして廉価版を買い、俺たちは動画を描いた。描き続けた。
 LETASで編集し、AVIにした。
 動くディラン、動くカナメ、動くシエラ、動くガイドン、眉毛が素敵なテイル。
 声が当てられればパーペキだ。
 これなら間に合う、そう信じていた。

 我々の高校では、萌えオタクが大勢居るくせに、
 声優として機能する輩は皆無に等しかった。

 アニメにしろ舞台にしろ、演技と言うものを行う際に最も重要なのは
 役者の声だとX-systemは常に思っている、

 アクアジオ!の声のイメージソースは以下の通り、

 

 あくもでもこれはX-systemの脳内音声である。
 我ながら脳内の中とはいえ贅沢な布陣だ。

 が、現実はそうはいかない。

 高校の弱小部がつくる線画のみのアニメである。
 認知度も低く、一部の先生からのみの支持しか受けていない。
 しかも声優募集はしておらず、やろうにも気づけば夏休みも半分過ぎ、
 夏コミも終わっている。

 つまり、一般生徒からの支援は不可能なのだ。
 (自クラスの出し物や部活もあるであろう)

 9月、未だにメインキャストのカナメ、テイルのみしか声は決まっておらず、
 我々は最後の手段を実行に移すことにした。

 X-system「もしもし……」

 hiro「ど〜したの〜?」

 X-system「そっちの学校に放送部ってあったよね……」

 他校の協力である。

 本気だ。

 賭けだ。

 反則だ。

 たかが線画のアニメ、

 殴り書きをつなげただけのヘボアニメ、

 ガンダムシードで毎週流される「滅殺バンク」をボロクソ言いながらも、
 それの遥か下のランクの人員、設備、クオリティー、でしか作ることができない。

 それでも映画研究部には意地があった。

 演劇部には負けないという意地が!


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<#4:絶叫・シュババババーン>

 恩人hiroの協力の末、ディラン、シエラ、ガイドン、クリムの声が、
 時計塔のそびえる高校に集った。

 当初、シエラの声の希望者が2名いたため、即席のオーディションを行うこととなった。

 一人目は、おとなしめの声の使い手。
 声優志望の女子高生だ。(この時点では俺も高校生だが)

 二人目は当サイトでもキリ番をゲットしたこともあるキョウスケさん。
 (言っておくがもちろん女性でこれはHN)
 声には元気がある。


 二人には席をはずしてもらい、他のキャストで審議した。

 hiro氏は最初の子を推した。

 だがX-systemの脳内シエラには、フルメタのテッサのイメージが根付いており、
 OKが出せなかった。(ゆかなの声といっても通じなかった)

 また、この声ではマイクに通らないのでは?とも思っていた。

 発表の時、初めの彼女は声優志望と聞いていたので、落とすのが忍びなかった。
 今からX-systemは人の思いを台無しにする。そう心に何度も言い聞かせていた。
 同席していた部長も、hiroも同じ思いであろう。

 結果を発表し、半ば自棄になって声録りに突入した。

 初めは皆テンションが低かった。

 小さなパソコンに映し出される線だけが虚しく動く絵を見せたり、
 その時に流れるBGMを聞かせたりしながらその場の雰囲気を感じてもらった。

 物語中盤の収録になると、皆アクアジオ!の世界に溶け込んでいった。

 各々のテンションもその場に合ったものとなっており、
 線画に確かに命が吹き込まれていった。


 部長「せっかくだから……」

 先ほどシエラのオーディションに落ちてしまった子を、
 最後のクレジットコール(この番組は〜ってやつ)に起用することにした。

 後にこのクレジットコールは、学校説明会ビデオなどでもお世話になることとなる。


 ……そして収録が終わり、部長と二人で声の確認を始めた。

 はじめた……

 はじめ……

 部長「ラストのガイドンの声ネェ!」

 X-system「――!!」

 恐怖の「なんか知らんうちに上書きしちゃった」である。

 申し訳なさを胸にその日の夜hiroにメールし、
 次の日はるばるシエラの中の人と共に再び声録りをしてもらった。


 上映まで、のこり1週間……。
 平日の休み時間も削り、毎日夜7時半ごろまで必死こいて編集した。
 
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<#5:夜明け前>

 9月に入ってから、映画研究部は先生方の許可を得て、視聴覚室をフルに活用した。

 授業のない1・2時間目。

 各授業の間の10分と言う休み時間。

 昼食休憩。

 放課後。

 そして――。


 我々映画研究部は、学校に宿泊した。

 映画研究部のX-system・部長は、演劇部も掛け持ちしていた。
 本来は、演劇部がメインの部活動であった。

 だが、新入生のあまりに濃く、そして浅いオタクぶりと、
 部活動に対する気合の無さに嫌気が差し、
 4月の終わりからは全くといっていいほど活動場所には顔を出していなかった。

 当然、部活に在籍しているのだから、文化祭にも出演しなければならない。
 なので、9月に入ってからは、微妙にそちらの練習もしなければならなかった。


 いつ出番になるかわからない。
 コチラは待っている時間が惜しいのだ。

 待ち時間では台詞の読み合わせをしながらも、
 頭は編集作業の状況が気になり、身が入らなかった。

 ミスの連発が、
 劇の練習の時間と映画研究部の活動時間を徐々に削っていった。

 演劇部の顧問の先生はその状況を見かねて、
 学校に宿泊する許可をその場で下したのであった。

 その許可を聞くことで、X-systemと部長のプレッシャーはかなり減少した。
 演劇部としての練習の後、X-systemは先生に聞こえないように部長に言う。

 X-system「……スペシャルサンクスに先生の名前追加な」


 だが、この時点で明日が初日と言う状態である。

 そう、事態はスーパーピンチであった。


 これで思う存分作業ができる。
 ……はずだった。

 が、スーパーピンチはまだ終わらなかった。

 昨年、突如として映画を製作し、文化祭グランプリを掻っ攫った団体が居た為、
 それにあやかろうとする団体も居たわけで、
 この年の映画出展団体は、映画研究部を含む4団体も存在した。

 当然、機材の数は限られており、
 我々映画研究部と顧問の先生が担任のクラスが合同で、
 視聴覚室を使用することとなっている。


 しかし、クラスという団体を我々は甘く見ていた。

 40人のクラスが団体の出し物として映画を出展するため、
 一人一人が何か作業を受け持たなければならない……とされている。

 そのため、余分な室内装飾が視聴覚室に施された!

 午前中に過剰な室内装飾を指摘し、不要な物を撤去させたが、

 細かいゴミや、
 飲食禁止であるはずの視聴覚室に散乱する食べ物の食べカスを
 掃除することから徹夜作業は始めなければならなかった。

 1時間半以上の掃除時間のあと、

 卒業生の映画研究部の先輩と、前年度のグランプリの功労者を呼び出し、
 彼の自慢の自作パソコンを組み立て、
 複数のパソコンの分散処理で作業を開始したのである。

 支援に来たパソコンは、時代遅れの映研のVAIOでは想像も付かない演算スピードで
 次々とシーンを演算してゆく。

 この演算速度なら完成する!
 そう確信した。

 シャム「俺一回帰って寝るわ……」

 彼がそう言った頃には夜は明けていた。
 5時半を過ぎたあたりだと思う。

 パソコンはその場に置いたまま彼は家に帰っていった。

 そして30分後……


 支援機のハードディスクがクラッシュした。


                             
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<#6:我ら暁の騎士団>

 1日目は……どれだけ惨めだったことか。

 半ば放心状態のまま時を過ごした。

 演劇のステージでやったこともあまり憶えていない。

 走馬灯なんてものも見えなかった。


 些細なことだ。

 ハードディスクのクラッシュなんて。

 漫研で時間を潰していた。
 気がつけばJINGを描いていた。
 ディランが上手く描けなかった。

 気付けば全キャラが『塩!』化していたモノを描いていた。



 クラッシュしたのはスレイブでなくマスターだったらしく、
 一時アニメのデータをスレイブとして使用していたので、
 復旧に手間取ったものの、何とか持ち直した。

 正直、全データがデジタルビデオに移ったときのことを憶えていない。

 憶えているのは、
 誰も居なくなった視聴覚室で寝っ転がったことくらいだ。

 だが、客席の歓声は覚えている。

『客刺の人十対郎一悠』(←反対から読んでね〜)
 の爽快さに会場(と言うほどではないが)は沸き、

『モミネット高由』
 のお馬鹿さに爆笑が起こり、

『アクアジオ!』
 に会場は……

 ……

 ……ぶっちゃけ冷めていた。


 この計画に携わった先生や声優さんやOBの方々にはいい感想を頂いた。

 絵が自分の声で喋り、
 スタッフロールに自分の名前が流れる。

 感動だろう。

 なんせエンディングの音楽がいいから。

 昼ピークになるに従って、
 お客さんはどんどん増えてった。

 長蛇の列と言ってもいい。

 あの狭い通路に長蛇の列が現れた。


 『グランプリ獲れる』

 そう思っていた。

 そう確信した。



 だが、お客さんは正直だった。

 アニメなんか、おそらく見たくなかったのだろう。

 否定的なアンケートばかりだった。

 制作費も、制作期間も制作規模もトップクラス。

 自腹金額もトップクラスだろう。

 でも、実質の作業員は部長氏とX-systemだけ。


 お客さんにはすまない事をしたと思っている。

 汚い絵を30分間見せていたのだ。



 では、お見せしよう。
 これが塩アニメだ。

 ガイドン「俺も連れてってくれ!」カナメ「――紅蓮剣!」
 アストラル巨大オートマターを倒した
 カシム「♪〜(ジャパネットの鼻歌)」よく見ると康二と桜が



 おそらく、多くのヒトはこう思うだろう。

 『カラーじゃないの!?』……と。

 そう、カラーではない。

 しかもこの絵はまだ見せられる範囲の画像だ。

 ジッサイは、
 背景コミで鉛筆で書いたモノをトレース台に載せて更に上から書くと言う
 荒業の連続。

 連続作業による集中力の低下から来る作画崩れ。

 そしてしびれる右腕と後頭部。

 カナメの攻撃モーションなんてもうドットにした方がマシな位だ。



 完成して痛烈に思ったことは、

 『他の高校生には出来ないだろう』と言う優越感と、
 『自分たちの力の無さ』と言う、相反するモノだった。

 力無きワガママは、滑稽。
 そう思った。


 だが、賞は取れるかもしれない。

 その希望はまだ自分たちの胸に残っていた。


 『悠一郎』や『モミネット』の評判はもう最高に良く、
 そっちの意見が大多数だった。(悲しくも計算通りで……)


 だが、カスリもしなかった。

 映画研究部は、ただの金食い虫となってしまったのである。


 しかし、実績は認められ、
 入学説明会で『悠一郎』や『モミネット』を流してもらえることになったり、
 3年生を送る会の思い出ビデオを編集するなど、
 映画研究部の底力を見せつけ、
 3年生を送る会で上映した『ラフメイカー』では、
 多くの生徒からの絶大な支持を受け、見事『心のグランプリ』を手に入れた。

 凱旋……だ。


 もうすぐアニメ上映から(これを書いている04/08/23時点で)1周年を迎える。

 この場を借りて、映画研究部に携わったすべての方々に感謝の言葉を。



 『ワガママに付き合ってくれて、ありがとうございました』



 まだ先のことではあるが、
 アクアジオ!Vol.5では、アニメ版を完全版にする……予定だ。

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