初めまして、俺の名前は神崎葉夜都(かんざきはやと) 14歳。

 

 俺は・・・懐かしい夢を見たんだ。

 

 自分が幼いころの夢・・・・。

 

 でも、それは・・“悲しい夢”にすぎない。

 

 俺は・・・そんな夢を見たくない。

 

 あの悲劇を・・もう一度だなんて・・。

 

 2度とみたくないって思った。

 

 あんなの・・俺は絶対・・見たくなかった。

 



   ☆人を大切に思うこと☆第1章:真実って色々複雑だよね。



          





葉夜都「・・・・・おはよう」

 

俺は近くの家の小豆沢由依(あずさわゆい)に挨拶をした。

 そうすると絶対“あの言葉”が帰ってくる。



由依「おっはろぉ!葉夜ちゃん☆」



 いつも通りに俺は答える。

 この答えじゃないと・・。

 思い出したくないことを思い出すからな



葉夜都「“☆”をつけるな。“ちゃん”をつけるな。でないと今度から返事はしな


ぞ」



 そういうと、必ず・・

 由依はこういうんだ・・。



由依「でも・・・答えてくれるでしょう?」

 

 確かに俺は答える。

 だけど、それは“由依”ではなく

 他の人物を思い出すからである。

 

由依「貴方の頭は笑唯梨(えいり)しか思い出せないの?」



 笑唯梨とは俺の幼なじみの子だ。

 霜月笑唯梨(しもつきえいり) 元気で、明るくて・・

 いつも、何かを我慢していた・・。

 そんな、少女だったんだ。

 だけど、その少女は俺の前から消えた。

 消えてしまったんだ・・。

 永遠と戻らない世界へ・・・。

 それを知った俺は・・俺は・・・。

 目の前が真っ暗で

 真っ白で・・何も・・見えなかったんだ。

    =6年前=



笑唯梨「ねえ、葉夜都君・・今日ね・・今日の帰り・・一緒に帰ろう?」



 俺は・・・

 “うん!じゃあ・・・・まってて!”

 といった・・・。

 そして、当たり前のように帰り道を歩いていた。



笑唯梨「ねえ、葉夜都君」

葉夜都「え・・?何?」

笑唯梨「あのね・・・!」

葉夜都「?」

笑唯梨「葉夜都君危ないーーーーーーーーーー・・・・・・・・・・・!!」



 笑唯梨は俺を突き飛ばした。



葉夜都「え・・?」



 キキーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 俺の頭は一瞬真っ白になったんだ。

 だって、俺を突き飛ばしたのは

 俺を助けるためだったから。

 たった、8歳の女の子が・・

 “幼なじみ”が

 俺を助けるために・・・?

 自分を犠牲に・・・?

 じゃあ、笑唯梨は死んで良かったのか・・?

 そんなわけない・・。

 笑唯梨ーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・



葉夜都「笑唯梨!しっかりしてくれ!!頼む!!」

笑唯梨「・・・・・・・・・・」



 彼女からの声は聞こえなかった・・。

 彼女は無惨な死に方をしたんだ。

 俺を助けるために自分を犠牲にして・・

 そして、トラックにひかれた。

 この、赤く・・ごちゃついた・・後景。

 気持ちが悪くなったけど・・。

 でも、俺のために助けてくれた・・。

 俺は、笑唯梨を抱いたんだ。



笑唯梨の母「・・・笑唯梨・・?」



 俺は笑唯梨の母親の目の前でこんなことを・・つげた。



葉夜都「笑唯梨を・・殺したのは俺だ。」

笑唯梨の母「どういうこと!?」

葉夜都「・・・って・・笑唯梨は・・俺をかばって・・。

俺をかばって・・死んだんだ・・・」



 もう、頭の中は真っ白で

 俺の意識は遠のいていた。

 だけど、口は動いていたんだ。

 なんて言ったらいいか解らないけど・・。

 これだけは覚えていた。

 “笑唯梨を殺したのは俺だ!”

 そう、いっていたーーーーーーー・・・・・・。

 何回も何回も・・・家に帰っても・・。

 1年ぐらいはそんな感じで・・。

 2年目に入ったら“由依”が現れた。

 由依は全てを知っていた。

 笑唯梨の従妹だといってきた・・。

 由依は笑唯梨と同じ事を言うんだ。



由依「なにしょぼくれてんの?」

葉夜都「しょぼくれてない!」

由依「へ〜〜」

葉夜都「なんだよ」



 でも、それでも・・・。

 由依と笑唯梨似すぎているから・・。

 由依を笑唯梨とかぶせてしまう。

 だから・・知らん顔できなくて・・。

 だから・・・・・駄目なのかな・・・・?



由依「葉夜都?」



 由依に現在(いま)の現実世界に戻されてしまった。



由依「どうしたの?元気ないんだね・・・・?」

葉夜都「え・・・お前が・・“あんなこと”いうから・・笑唯梨の事思い出した」

由依「ご・・・ごめんなさい!」

葉夜都「何で謝る?」



 俺は由依の顔を見た後に由依のおでこに手をおいた。

 

由依「え・・・・・・・!?」

葉夜都「熱があるのかなって・・思ったから」



 そんなでませが・・・由依に通じるわけがない。

 俺は“笑唯梨”を忘れたいんだ。

 なのに、“由依”がいればいるほど・・・・

 思い出してしまう。決して思い出してはいけないことを。



由依「・・・・・・・葉夜都・・・って“笑唯梨”に恋してたの?」

葉夜都「まっさか。でも・・・その時・・“親友”・・いや・・仲のいい人は“笑


梨”しかいなくて・・・・・・・・。

8年間もずっと・・ずっと一緒だったのに・・。いきなりいなくなって・・・。

“笑唯梨”は大切な・・・“親友”で・・“幼なじみ”で・・・・・別に、“友
達”

がいたら

捨てるとかじゃなくて・・・・・・その」

由依「がんばって・・・・諦めたら・・おしまいだよ」

葉夜都「ーーーーーーーーー・・・・・・・ありがとう」

由依「貴方にいわれると・・・・恥ずかしいな」

葉夜都「え?」

由依「ーーーーーーーーーーーーー・・・・ううん。なんでもない。」

葉夜都「え・・・ああ」

由依「それより、今日はお墓参りでしょう?“笑唯梨”の」

葉夜都「ああああああああ!!やばっ!!」 ダッッ

由依「駄目な弟だな・・。“弟”を・・好きになる姉なんていないよね・・普通」



 俺は走った・・・。

 速く走った・・・・。

 “笑唯梨”

 大切な少女の小さな少女の・・・お墓ーーーーーーーー・・・・・・・。

 そこに、“笑唯梨”の母親がいた。



葉夜都「・・・・・・・」

笑唯梨の母「葉夜都君・・・。貴方は“笑唯梨”を殺したって思ってるんでしょう

?」



 俺は・・ずっと・・そうしか思ってないっつの



葉夜都「・・・・・・・・・・ああ」

笑唯梨の母「あの子が望んでやったことなの・・。だから、気に病まないで・
・?」



 俺の母親と話してたな・・。

 “気に病まないで”・・?

 気に病まないで済んだら・・。

 らくだよーーーーーーーーーー・・。

 笑唯梨が望んだことなのか・・?

 嘘だ!彼奴は“俺と一緒の明日”を望んでた!

 だって、あの帰りだって・・

 『ねえ、明日は・・何して遊ぶ?明日も・・一緒だよ。

 これからも・・ずっと一緒だよ!』

 そんな声だった・・・・・・。

 だったら・・・そんなこと望んでないのあたりまえだ!

 笑唯梨ーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・。



葉夜都「笑唯梨は“死ぬこと”なんて望んでない!」

笑唯梨の母「どうして・・・・?」

葉夜都「あんなに・・“明日”の事を“愛おしそう”に話していたのに・・・そん


ことないのに・・」

由依「葉夜都!!」

葉夜都「!?」

由依「・・・笑唯梨の・・・自由にして・・・自由を奪わないでっ・・」

葉夜都「え?」

由依「もう・・いやだよ」

葉夜都「由依・・?」



 俺は由依の肩に触れたが

 由依は俺の手を振り払った。



由依「触らないで!・・駄目だよ・・。“笑唯梨”が・・好きなんでしょう?」

葉夜都「え・・?俺は・・別に!!」



 由依は泣きそうな・・。

 消え入りそうな声で俺にこういったんだ。



由依「私には・・・貴方に・・優しくされたらいけないの・・」



 俺には意味が解らなかった。

 何故優しくしていけないのか・・。

 “優しく”するつもりなど最初から無かったのに

 “笑唯梨”と思ってしまって・・。

 だから・・忘れることも・・。

 出来なかったのにーーーーーーーーー・・・・。



由依「私は・・貴方の血のつながった姉なの。本当よ・・。」

葉夜都「え?」



 由依は静かに話し始めた。



由依「人のお墓の前でいいたくないけれど・・。」

葉夜都「じゃあいうなよ」



 いつもの調子でいってしまい・・

 あとから少しやばかったかな・・と思った。

 でも、それより、俺が由依の弟・・?



由依「貴方が2歳の時・・私が5歳の時・・・ね・・・?

両親が・・こんな事を言っていたの・・・。私は全部聞いたわ。

その時は・・・理解できなかったけれど・・今は理解できた・・。」



 そういって、由依は表情を変えて

 12年前の話を聞かせてくれた。



母「もう、別れましょう」

父「・・・・・・・ああ」

母「このままだと・・葉夜都も由依も永遠に幸せにはなれないわ!」

父「俺は葉夜都を連れて行く」

母「駄目よ!葉夜都が貴方そっくりになっては駄目!」



 じゃあ、私は良いの・・・・?

 私は、そっくりになってもいいというの・・・?



父「そういって、由依を嫌うお前も俺は嫌いだ」

母「由依は・・・由依は・・・」

父「由依がおれそっくりだからか?」



 どういうこと・・・?

 お父さんが嫌いなの・・?



母「そうよ!由依は貴方が好きだし・・ちょうど良いじゃない!

葉夜都は・・私が幸せに暮らさせるんですから・・・!!」



 私は・・幸せでなくて良いの・・?

 でも、その意味は解ったの・・。



父「葉夜都を不幸にするのはお前だからな」

母「そんなことないわ!!」







由依「葉夜都・・お母さんは元気?」

葉夜都「・・・・9年前に死んだ」

由依「・・お父さんが“不幸にするぞ”っていったのは・・お母さんが死んでしま


ことを知っていたらしいの。

お母さんは“ガン”にかかっていたから・・・。でも、その時は手術すれば治るは


だったの・・。

でも・・・ね、お母さんは手術しなかった・・。どうしてだと思う・・?」



 由依は立ち上がり、歩きながら質問した。 



葉夜都「?」



 俺には由依の伝えたいことは解らなかったけれど・・。

 その、悲しそうな顔で俺を見るのは初めてだった。



由依「手術にはお金が必要・・お父さんはもちろんだすっていったわ。

でも・・、その時にちょうど“離婚”の話もあったわ・・。

それでも、“葉夜都”のために・・・お父さんはお母さんに手術費出すっていった

の。

だった、ガンでお母さんが死んだから・・葉夜都はどうなるの?

葉夜都は一人っきりになるのよ・・・?」



 そして、隣のベンチで座った・・。

 そして、話の続きを始めた・・・。



由依「手術には入院して・・少しだけ状態見てから・・その後に手術するの。

手術したらしばらく動けないんだけど・・それが・・駄目だって・・」

葉夜都「・・・・・?」

由依「“離婚”の日にちを決めて・・手術を嫌がって・・それでも“葉夜都”のた


とかいって・・。

葉夜都を一人にしたのはお母さん・・・・。」



 そういいながら・・少し羨ましそうな顔をした。



由依「お母さんの中にはもう一人の子供が宿っていたの・・・。誰も知らなかった


・・。」

葉夜都「・・・・・え?」



 由依は話を続けた。



由依「“手術”は子供が宿っている近くなの・・。でも、“手術”すると・・“子

供”は死んでしまうんだって・・。

でも、“ガン”の力でも子供は死ぬわ・・。結局・・手術はしなかった・・。

お腹の子供は少し、障害を持って生まれたわ。その子供の名前は“笑唯梨”」



 “笑唯梨”!?



由依「笑唯梨は貴方より2つしたよね・・?」

葉夜都「だけど、障害なんてなか・・・っ」

由依「いいえ、あったわ・・。」

葉夜都「!?」



 笑唯梨に障害・・・?それも“姉弟”!?



由依「あの子は“身の危険”は解らない・・。

事故の時あの子は貴方を助けたんでしょう?

それは、貴方を危ないと思った・・。でも、障害のおかげで“自分”も危険だと知


なかったの」

葉夜都「そんな障害あるはずない!」

由依「ーーーーーーーーーーー・・・・さようなら」



 由依は走った・・・。

 ん?じゃあ、笑唯梨のお母さんは!?



笑唯梨の母「私は・・貴方のお母さんの妹よ・・・。」

葉夜都「ーーーーーーーーーーーーー・・・・・」



 “姉弟”

 その言葉を信じられなかった・・。

 本当に姉弟なのか・・・?

 由依と笑唯梨が似てるのも・・?

 俺は・・・・一体・・・・。



葉夜都「・・・・・・解らないよ」



 雨が降り出した・・。

 笑唯梨のお墓は塗れていた・・。

 俺も、一緒に塗れていた。

 そこから動けなかった。

 言葉だけが繰り返される。

 “私は貴方の姉よ”とか・・。

 ただ、呆然と立っていた・・・・。













 そして、3日が過ぎていた・・・。



由依「おはよう!何でこんなに休んでたの?」

葉夜都「・・・・・・・・・・笑唯梨・・?」

由依「は?私は由・依!」

葉夜都「・・由依・・誰だっけ?」

由依「5年前から知り合いのーーーーー・・」

葉夜都「はあ・・?俺は知らないぞ」

由依「!?」



 これは一体誰・・・?



担任「あ、小豆沢!彼奴は一時的な記憶喪失らしい。しばらくほっとけばとりもど


とおもうぞ」

由依「え・・・あ、ありがとうございました・・・!」

(その原因は私・・・?私があんな事言ったから・・・・?だから・・?!

どうして、“笑唯梨”の事だけ覚えているのーーーーーーーーー・・・・?)



 変な人。

 5年前の俺はーーーーー・・・

 5年前の親友はーーーーーーー・・・

 一体誰だ・・・?

 覚えていないMemory(記憶)・・・・。

 俺、忘れやすいから・・・

 きっと忘れているんだろう・・・。

 絶対ーーーーーーーーーー・・・。





 それから何日か過ぎた朝のことだった。

 

由依「ねえ!葉夜都!!」

葉夜都「・・・父さんは?」

由依(おもいだしたんだぁ)「あのさぁ・・・なんで2日もやすんでたの?」

葉夜都「風邪ひいたから」

由依「どうやって・・・?」

葉夜都「・・墓の前で1にちぬれてたから・・ね」



 俺が泣いたのは一体何年前だ・・?



由依「はや・・と?」

葉夜都「姉さん!俺は・・俺は・・・誰にも恋心とかは・・ないからな。

母さんや・・・父さんのことは・・今は・・どうだっていい。

ただーーーーーーーーーーーーー・・・・・」

由依「ただ・・?」



 俺は少し・・素直にいってみた。



葉夜都「笑唯梨の真似はするな!」

由依「真似じゃないよ!」

葉夜都「真似じゃなくても禁止!俺が忘れられないのはお前のせいだからな!」

由依「ーーーーー・・・うん、解った。そのかわり約束して?」

葉夜都「なんだ?」

由依「・・・・・・・悩み事・・相談して欲しいの。」

葉夜都「ーーーー・・・姉さんが悩み相談?」



 俺は、いつのまにか“由依”と呼ぶのが“姉さん”になっていた・・。

 やっぱり、“姉”だとわかったからか・・・・?



由依「姉さんじゃなくて・・由依!いまさら・・呼ばれても・・なれないよ」

葉夜都「なれろ」

由依「私の事は・・・今までどうり・・・」

葉夜都「由依」

由依「・・・・・大好き葉夜都!」

葉夜都「お前も慣れない言葉いうな!」



 “恋”とかじゃなくて・・・

 “人”を“大切”に思える事って・・

 凄く難しいね・・。

 でも、葉夜都は恋なんてしてないよ。

 葉夜都の事も他の人の事も

 “恋”じゃなくて・・・・

 “大切”に思っています・・・。

 このお話しは恋ではなくて・・・。

 “人”を“大切”に思っている・・と

 “悲しいお話し”(?)・・を思いながら

 書いたお話し・・・らしい。

 人を大切に思う事って凄く良いこと・・・だよね?

 貴方はどう思いますか?



                                By.YUI

     ☆FIN☆

    ♪Truth End♪







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