憎らしい。

僕の居場所をとった彼女。

何も知らずに僕の親を両親と思う彼女が嫌いだった。

それからだっただろうか。彼女に冷たくし始めたのは。











第16話 悲しみに包まれた僕を忘れずに。













彼女は眠っていた。

眠っていたけれど僕が彼女を見つけたときはもう既に10代にの少女だった。

それから数年の昏睡。

彼女は年取ることはなかったんだ。

目覚めた時、彼女の中には”偽の記憶”があった。

生まれたときから僕と一緒にいた。

両親と共にいたと。


「みのるくーんっ」


何も僕のこと知らないはずの彼女が呼ぶ。

昔からいたと言う。


「……なんだよ、水月」


だから彼女に冷たくした。

彼女に嫉妬して…彼女に奴当たりを。


「秋君最近つめたいよー」


彼女を許すことの出来ない自分。


「あらあら。秋君。何時も水月と遊んでくれてありがとう」


本当の両親からの言葉は僕は他人だった。

他人ではない水月を庇う理由が知りたくなった。

その後母から全てを聞いた。

水月を守る……?

僕はいらない存在なのか。

水月を守るとしても何故僕が本当の親の側を離れなければいけないのか。

いまだ理解できない。


「秋君、どうしたの?元気ないね」


何も知らずに問いかける無邪気で天真爛漫な少女。

彼女に言われる言葉に怯えた。


「何でないよっ…うっとおしい!」


彼女の何を恐れたのかはわからないけれど…。


「…うっとおしい、の?」


けれど、彼女は何も知らないんだ。


「…じゃあ、水月、秋君の機嫌がよくなるまで待ってるねっ」


何も知らないからのはずなのに…。


「…待っ」

「……?……なあに、秋君っ」


天使のように笑う少女。

彼女は一国のお姫様。

何も知る事のない、お姫様。


「…秋君?」

「何でないよ」

「…えー言ってくれないと解らないよー」

(誰が言うか)





でも 近づいていた




もう 日がないことを 恐れ始めたんだ








―――――後書き―――――
続、過去話です(笑)
こんな話にするつもりではなかったんですけど。
「憎らしい。
僕の居場所をとった彼女。
何も知らずに僕の親を両親と思う彼女が嫌いだった。
それからだっただろうか。彼女に冷たくし始めたのは」
とかをいれたかっただけなんです。
まだまだ続く”蒼の章”これからも宜しくお願いしますっ!!
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